1800年前の弥生時代!九州最大規模の方形周溝墓「城野遺跡公園」オープン


「城野遺跡公園」(福岡県北九州市小倉南区城野1丁目13)が、2022年4月26日(火)ごろオープンした。(写真上は全景、写真下は箱式石棺レプリカの復元展示、共に北九州市提供)

城野遺跡は、弥生時代の終わりごろ(今から1,800年くらい前)の遺跡で、九州で最大規模の方形周溝墓(当時のリーダー達のお墓)や、玉作り工房(水晶などを加工した作業場)の跡が発見されるなど、北九州市の歴史を考える上で貴重な遺跡だ。

遺跡の重要さが評価されて、令和2年3月27日には福岡県の史跡に指定されている。

北九州市は、「市民の皆様に城野遺跡について知っていただくとともに、本市にとって貴重な文化財の活用を図るために、遺跡の重要な部分である方形周溝墓の周辺の970平方メートルを、城野遺跡公園として整備しました。」としている。

 

方形周溝墓の復元展示

写真は、線模様画が描かれた石棺石材(埋蔵文化財センターにて展示)北九州市提供。

南北約24メートル東西約16メートルの周溝内に小児用の箱式石棺が2基設置されています。いずれの石棺にも赤色顔料が厚く塗られ、そのうちの1基には線模様画が描かれていました。方形周溝墓が築かれたのは、今から約1800年前の弥生時代終末期にあたります。

その規模や重要性から、箱式石棺については平成26年2月に移築保存を実施し、平成28年11月より北九州市立埋蔵文化財センターで移築展示を行っています。遺跡公園には、石材を3D計測して、軽量コンクリートで精巧に復元したレプリカを展示しています。

 

2つの玉作り工房と周辺の竪穴住居跡群

城野遺跡では、40基以上の竪穴住居や貯蔵穴(貯蔵用の穴)、土坑墓、方形に区画された溝など、人々がこの地で生活をした様々な痕跡が残されていました。平面が方形でベッドと呼ばれる一段高い部分を持つ竪穴住居が多くみつかりました。この竪穴住居のうち2基については、九州で2例目となる玉作り工房であったと考えられています。

この玉作り工房からは、管玉などの完成品のほかに、水晶や碧玉などの原石や未製品、失敗品の破片が出土しています。また、玉の穴をあけるための鉄の錐、磨いてかたちを整えるための砥石が確認されており、玉作りの過程を知るうえで貴重な資料となっています。

 

城野遺跡と西日本の主要な弥生遺跡の位置関係を示す方位盤

遺跡方位盤の画像 遺跡方位盤遺跡公園中段のサンシェードの横に、城野遺跡と西日本の主要な弥生遺跡の位置関係を示す青銅製の方位盤を設置しました。

方位盤で紹介する遺跡は、纏向遺跡や吉野ヶ里遺跡といった、その時代を代表する著名な遺跡や、西谷墳墓群や楯築遺跡、平原遺跡といった、特徴的な墓を有する遺跡のほか、九州で1例目の玉作り工房跡が発見された潤地頭給遺跡など、城野遺跡と関係が深いと考えられる遺跡です。

 

上記は取材日時点の情報です。

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